横浜に石と歩む100年 有限会社小島石材店

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お墓のあれこれ

「そもそもお墓は何のためのもの?」

突然ですが、そもそもお墓は何のためのものだと思いますか。

「うちにもお墓があるけれど、ご先祖さまのためじゃないの?」

「亡くなった人が入るための場所でしょう?」

「長男家族が引き継いで、代々守っていくものだと思うけど」

 

そうですね。お墓が何のためにあるのか、お墓の意味は何か。

そんなこと、たずねられでもしない限り、ゆっくり考えることはあまりないかもしれません。

せっかくですから、この機会にちょっと考えてみてください。

あなたやご家族にとって、お墓はどんな意味をもっているでしょうか。

 

お墓は家族の伝統を重ねていく「終(つい)の棲家(すみか)」、つまり「家の根」となるものです。

本来、お墓を建てるということは、家族の過去・現在・未来をつなぐ意味も込められています。

 

何十年、何百年と長くその場に存在しお参りされ続けるお墓は、私たちに命を授けてくださったご先祖さまを供養し、現在に感謝し、未来にむかって家族の絆を深めるためのものです。

 

日本人は、はるか昔から亡き人の幸せをひたすら願うため、また生きている人の心の寄りどころとしてお墓を建て、お墓参りをしてきました。

日本人にとって、お墓は

・自分や家族の身に起こった出来事をご先祖さまに報告に行く

・迷ったときに心を落ち着かせに行く

・ただひたすら感謝しに行く

そんな場所でした。

 

お墓はご先祖さまと対話できる大切な場所であり、脈々と続く家族の絆を確認しあう「尊いもの」として、ずっと機能してきたのです。

 

現在でも、お墓や仏壇の前で亡き人の冥福を祈りご先祖さまを供養することで、ご先祖さまとともに生きる幸せを感じている方もいます。

宗旨宗派や地域性による多少の違いはありますが、「お墓は生者と死者の幸福の交換」という本質だけは今も生き続けています。

 

しかしながら、その一方で、こうしたお墓の本質が薄れつつあるのも事実です。死者は「怖い」、供養しなければ「崇(たた)る」などといった間違った考え方や情報の氾濫から、私たちが昔からずっと守り続けてきたお墓の本質が忘れられつつあります。

 

これだけは覚えておいていただきたいのですが、お墓は絶対に祟りません。

考えてみてください。あなたがもしお墓に入ったとき、間違ったお墓の建て方や祀り方をしたからといって、かわいい子どもや孫を怒ったり、祟ったりするでしょうか。

めったにお参りに来ないようなら寂しく感じるかもしれませんが、ことあるごとにお墓参りに来てくれれば、むしろ形や祀り方など気にしないと感じるのではありませんか。

 

お墓はどんな建て方をしたとしても「悪いお墓」にはなりません。

もし「良いお墓」や「悪いお墓」があるとすれば、それはお参りする方々の気持ちです。

 

お墓を大切に守るということは、家族や個人にとって心の寄りどころであるだけでなく、ご先祖さまに対する感謝の気持ちのあらわれなのです。

 

お墓は言うなれば、「幸せを生み出す打ち出の小槌」。

家族にとっての幸せのシンボル。

 

こうした「お墓」の本質的なことについて、親から子へ、子から孫へと代々伝えていくことは、とても大切なことなのです。